MIYAZAKI STORIES

内田沙樹

九州の恵みを、
ときめきの一杯に。

Saki Uchida

内田沙樹

霧島酒造株式会社 企画室PR課

https://www.kirishima.co.jp/

宮崎市田野町出身。2016年、早稲田大学を卒業後、地元・宮崎に貢献したいという強い想いから霧島酒造株式会社に入社。企画室PR課に配属され、2025年より同課係長を務める。都城が育む霧島焼酎の魅力や、食と焼酎が織りなす豊かな文化を国内外へ発信する任務を担う。趣味はミュージカル鑑賞で、舞台芸術から得られる「ときめき」を日々の仕事の糧にしている。

創業110周年。都城の風土から生まれた焼酎造りの原点

Q:霧島酒造の成り立ちについて教えてください。
A: 当社は2026年に創業110周年を迎えます。始まりは1916年、初代社長の江夏吉助が都城の地で焼酎の製造免許を取得したことでした。1900年代初頭に当社の前身である「川東江夏商店」が開業。もともとは醤油や味噌を扱う商店でしたが、第一次世界大戦後の好景気の中で焼酎の需要が高まり、地元の恵みを活かした焼酎造りに乗り出したのです。焼酎製造が始まった1916年が当社の創業年となっています。都城は霧島連山の麓に位置し、豊かな自然と水に恵まれた場所です。この土地で焼酎を造り続けてきた歴史は、私たちの誇りそのものです。

 

Q:地元・宮崎への想いは、事業の端々に感じられます。
A:宮崎県、特に都城を拠点にしているからこそ、地域の方々との熱量の高い繋がりを日々実感しています。居酒屋で「黒」や「白」と呼ぶだけで注文が通じるような、日常に溶け込んだ文化こそが霧島酒造の支えです。私自身、一度は東京に出ましたが「宮崎から全国へ、そして世界にも届く仕事をしたい」と戻ってきました。地元の生産者様や飲食店様と共に歩むことで、地域全体を盛り上げていくことが私たちの使命だと考えています。

 

 

自然の恩恵と徹底した品質管理。
「4つの100%」のこだわり

Q:霧島酒造の焼酎を支える「こだわり」とは何でしょうか。
A:私たちは「九州産さつまいも」「霧島裂罅水(きりしまれっかすい)」「国産米」「自社工場生産」という4つの100%にこだわっています。九州南部のシラス台地は水はけが良く、最高のさつまいもを育みます。収穫から3日以内の新鮮な状態で仕込むことで、芋本来の甘みと雑味のない味わいを引き出しています。さつまいもの品種ごとに異なる個性を活かし、常に「ときめき」を感じていただける品質を追求しています。

 

Q:仕込み水についても、特別なこだわりがあるそうですね。
A:都城盆地の地下岩盤の割れ目に蓄えられた清冽な地下水「霧島裂罅水」を全商品に使用しています。数十年の歳月をかけて自然ろ過されたこの水は、酵母の働きを助けるミネラルを適度に含み、まろやかな口当たりを生み出します。水と芋、そして厳格な品質管理。2024年には国際的な食品安全規格である「FSSC22000」を取得し、原料から商品がお客様の手元に届くまで、幾重にも安全性と品質を確かめています。地元の恵みを最高の商品に変えて届けることが、私たちの誠実さの証です。

 

 

革新が生んだ伝統。
二代目社長が守り抜いた「本格焼酎」の誇り

Q:会社の歴史において、大きな転換点となった出来事はありますか。
A:二代目社長・江夏順吉の功績は外せません。彼は東京大学で応用化学を専攻した「無類の機械好き」でした。杜氏制度を廃止して自ら機械を考案し生産体制を近代化したのです。これは単なる効率化ではなく、職人の勘に頼る部分を数値化し、常に一定の「高品質」を届けるための挑戦でした。このシステムがあったからこそ、看板商品である「黒霧島」が全国で愛されるようになった際も、品質を損なうことなく安定してお届けすることができたのです。

 

Q:「本格焼酎」という言葉を提唱されたのも御社だと伺いました。
A:当社が創業以来造り続けている単式蒸留焼酎はかつて税制上の分類で「乙類焼酎」と分類され、「甲乙」という言葉は優劣を表す際に使われていた歴史的経緯もあり、「甲類焼酎」に分類される連続式蒸留焼酎よりも低く見られがちな時代がありました。順吉は「この伝統的で味わい深いお酒が劣っているはずがない」と原料の風味が生きる製法を称えて「本格焼酎」と呼ぶことを提案しました。看板や広告にこの言葉を使い続け、業界全体を巻き込んだ地道な活動の結果、1962年に大蔵省令で正式な呼称として認められたのです。自分たちの造るものに誇りを持ち、それを世に問い続けてきた精神は、今の私たちにも色濃く受け継がれています。

 

Q:今後の目標や展望についてお聞かせください。
A:焼酎は、実は今の多様性の時代に非常にマッチしたお酒です。一本あればお湯割り、水割り、炭酸割り、カクテルなど、その日の気分や料理に合わせて自由に楽しめます。私たちは「焼酎文化は食文化の基にありき」と考え、日々の食卓に寄り添う「最高の人生のお供」を目指しています。国内市場で焼酎の新たな価値を創造し続けるとともに、将来的には和食文化の広がりを追い風に、海外の方々にも焼酎がある豊かな時間を届けていきたいです。

 

 

<応援メッセージ>

故郷で見つける、自分らしい「ときめき」
地元で働く喜びは、慣れ親しんだ風景や大切な人々がそばにいる安心感の中にあります。自分の仕事が街の誰かを笑顔にしていると実感できることは、何よりのやりがいです。どこにいても、自分なりの「ときめき」を信じて挑戦し続けてください。私たちと一緒に、大好きなこの街の未来を熱く盛り上げていきましょう。

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